【連載コラム】第2回:欲求の段階を知る

この度、弊社AIMNEXT VIETNAMは貴社のベトナム人の人材活用に役立つ

ことを期待し、【ベトナムにおける人事評価制度の設計・運用】をテーマに

記事をシリーズ化しました。

 

今回は第2回目の記事を送付させていただきます。

毎月1度、記事を送付する予定となっておりますので、

次回以降もお読みいただけますと誠に幸いでございます。

 

              記

 

第2回:欲求の段階を知る

 

皆さんの会社の社員は、自発的・主体的に行動を起こせていますか?

もし、そうしたポジティブな姿勢が見られず、ただの指示待ち社員になって

しまっているとお感じになられる場合、動機づけが図られていない可能性が

非常に高いです。

 

前回の記事では、人材の成長を促進するためにはモチベーションの向上が重要

であることに触れましたが、今回の記事ではモチベーションを上下させる要因

について、もう少し深く解説していきたいと思います。

 

衛生要因と動機づけ要因

 アメリカの臨床心理学者であるハーズバーグによる調査によって、

仕事における満足と不満足を引き起こす要因は全く別物であることが

示されています(二要因理論)。

 

どういうことかというと、人間には苦痛を避けようとする動物的な欲求

(衛生要因)と心理的に成長しようとする人間的欲求(動機づけ要因)

という2つの欲求が存在し、下記のような特徴を持ち合わせています。

  満足 不満足
衛生要因 ×
動機づけ要因 ×

 

給与で釣るのは正解 or 間違い?

★衛生要因の特徴: 不足すると不満足を引き起こすが、満たしたからといって

満足につながるわけではない。

*衛生要因に含まれるもの…会社の方針・管理、上司・同僚との関係、給与など

★動機づけ要因の特徴: 満たすことで満足につながるが、不足したからといって

不満足を引き起こすわけではない。

*動機づけ要因に含まれるもの…達成、承認、昇進、成長、仕事のやりがいなど

 

衛生要因と動機づけ要因に関して、もう少しわかりやすく身近な例を挙げて ご説明します。

仮に給与(衛生要因)が相場より低い場合、社員の不満足を 引き起こしますが、相場より

高いからといって満足するわけではありません (満足したとしても、それは一時的なものに

過ぎません)。

 

反対に、周りの人から承認を受けたり、何かを達成できたりした場合、それは 自分の存在価値

を見出したり、自己実現に近づいたりしていることを意味する ので、結果的に高い満足感に

つながります。しかも、その満足感は衛生要因を 満たした場合に比べて、長続きしやいのも

特徴の1つです。

 

「よその給与が少しでも高いと、すぐに転職してしまう」というお声をよく 伺いますが、

果たして給与が真の原因でしょうか。このようなケースに直面 した場合は、今一度立ち止まって、

「動機づけは足りていたのか?」という 視点で原因を探ってみることをお勧めします。

 

次回は「各階層の期待・役割責任・仕事内容の明確化」 をテーマにお話しいたします。

 

                                       以上

 

第2回の『ベトナムにおける人事評価制度の設計・運用』はいかがでした でしょうか。

ご意見・ご感想等ございましたら、弊社までお寄せいただけますと 幸いでございます。

 

尚、次回の配信は12月を予定しております。

末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。